(この文章、誰かを不快にしたら申し訳ありません。広告会社の批判をしたいわけでは全然ないです。
あと、私がコピーライターという広告会社の中でも
特殊な職種だったために、偏りのある内容になっていることを踏まえてお読みください。)



▼先週の木曜日、「アドタイ・デイズ」という宣伝会議さんのイベントで
パネラーとして、
ニュースサイト編集者の中川 淳一郎さん、
株式会社イグナイト代表取締役の笠松 良彦さん、
と一緒に登壇させて頂きました。
(「宣伝会議」編集室長の田中里沙さんが進行役でした。)

テーマは
「広告界に今後求められる人材とは」。

私はただでさえ電通を辞めたのを売りにしているように見えるので、
「元・電通」が目立つようなイベントはもちろん、
広告系のイベントはこれまでお断りしてきたのですが、

今回は、お世話になっている宣伝会議さんのイベントであることや、
他のパネラーの方が宣伝会議ならではの、
なかなか一緒に登壇できないような方だったこともあって
自分にはもったいないような気持ちもありつつ受けさせて頂きました。

そもそも広告業界を出た人間が「広告界に求められる人間」を
論じるのもおこがましいのですが、

普段避けたいこういうテーマだからこそ
人前に出る機会でもないと
自分ではなかなか考えないと思いました。

そして、事前の打ち合わせでスタッフの方とお話しているうちに、
自分の中に、意外にも喋りたいことがいろいろとあったことに気づきました。

(美容エッセイで有名な斎藤薫さんが、
「インタビューを受ける経験こそが人を成長させる」、と書いてらっしゃって、
身にしみて共感します。人に聞かれる場面にならないと考えないことって、本当にたくさんある)

▼私はツイッターで、たくさんの広告業界の人をフォローしているのですが、
広告業界を離れてからは、少し心理的な距離を感じるようになりました。
それは、別にその人たちとの関係性が変わったわけではなく、
普段いる場所の違いから生まれる、見ているものの違いから生まれる距離です。

コピーライター時代は
TCC賞を誰が獲ったのか、
クリエイターオブザイヤーは誰なのか、
海外の広告賞でどんなユニークなアイディアが世界を沸かせたのか、
などなどを、欠かさずチェックしていました。
いつかその場所に自らが立ちたい、
ああいった仕事をしてみたい、という憧れもあり。

けれど、「キレナビ」の運営に携わるようになり、
今まで自分が見ていたもの・目指していたものとは
違うアプローチが必要になり、
それらの話題は、自分とは違う世界のことになっていきました。
転職先が、大手の会社の広報部だったらまた違ったのかもしれないけれど。

電通にいた2年半は、ひよっこすぎて、ほんと、全然役にも立っていないのですが、
多くの先輩の仕事から、勉強させて頂きました。

CMクリエーティブ、ポスターや新聞用のコピーから、カタログ用のコピー、
バナーを使った面白い仕掛けや変わったウェブサイト、アーティストさんのPV作成など多種多様。
在職中に、中部と東京、部署的には3部署も経験させて頂いたおかげで、
大きなものも小さなものも含め、いろいろなお仕事に関われたと自分では思っています。

その経験が、今の会社で役に立ったこともあったかもしれないけど、
広告を、つくる側から出す側になって、痛感したのは
「広告ってなかなか効かないなー」ってことです。

テレビCMや新聞広告や山手線ジャックなんていう予算はなくて、
そういう予算があれば、また違う感覚なのかもしれないけれど。

キレナビがウェブサービスなこともあって、
出すのはもっぱらバナーなのですが、
バナーって、驚く程クリックしてもらえないですよね。

駅に自ら立ってビラを配ってみたこともあったけど
そもそも受け取ってもらえない。
メルマガのURLのクリック率を見て、「10倍欲しい」って思ったりする毎日。

もちろん、それでも広告は必要なのですが、
「結果が出る広告」以外はいらないと思えば思うほど
コピーライター時代に自分が憧れていた広告とは、違うものが必要で。

前に意識していたのが、良いクリエーティブ、良いコピー、面白い仕掛けだったとすると、
今は検索ワードとか、バナーの文言とか、メルマガの書き方とか、クリックされやすいデザインとか、
デジタル一色。私の本棚からは、コピー年鑑が消えました。

▼今、私が毎朝一番にやっていることは、
前日の売り上げとPVのチェックです。
何がどれだけ売れたか、容赦なく出ます。

土日はみんなネットを見ないから、
土日の売り上げは悪かったり、
天気が影響したり、
2月と8月(にっぱち)は売上が悪かったり。
最初は全然わからなかったそういうことが分かるようになりました。

クレジットカードの〆日や
メルマガを配信したかどうか、
期間限定セールやメルマガ会員限定のシークレットセールの
あるなしでも全然売上が違います。
時には全然意味不明に売れたり、売れなかったりも。
毎日、売上の目標数字があるので、
そこから乖離したら、すぐに対策を打ちます。

「コピー書くのに3日下さい」っていうような世界とは真逆で、
メルマガは、その日に書いてその日に配信もするし、
売上を見て、今日、明日、今週、来週の施策が変わったり増えたりします。

「これがサービスを運営するってことなんだなー」と試行錯誤の日々。
広告業界とは違うスピード感、そして違う筋肉のトレーニングです。

めまぐるしい毎日の中で、広告のコンテストで表彰されるような取り組みは
少なくとも「キレナビ」ですぐに取り入れられるようなことではないので、
全然キャッチアップしなくなりました。

▼「キレナビ」は扱っているものが
美容医療なので、そもそも広告宣伝が難しいです。

デリケートな領域なので、
媒体NGが出ることもあるし、
バナー掲載がOKになっても、
専用のLPを作らないとダメだったり。
LPに注射もレーザーも載せられなかったり。

そんな中、
「もはや広告費をかけるくらいなら、ユーザーに還元しよう!」と
社長と話し合って始めたのが、
5秒で紹介、5%バック 」のお友達紹介機能。

これは、キレナビの商品をユーザーさんがツイッターやブログやFBなどで紹介して、
それが売れたら、紹介した人にもされた人にも5%のポイントがつく仕組みです。

「キレナビの良さは広告では伝わらない。
だったら、キレナビの良さを一番知っているユーザーさんに
広告をしてもらおう。」

「広告費を削った分、ユーザーさんに
還元して、もっと好きになってもらおう。」

そんな想いから出た企画。

LPはちょっとふざけていますが
使った人たちからは
「こんなにポイントバックがあってすごい!嬉しい!」
と好評の声を頂いており、
もっともっと広がったらいいなあと思っています。

(いくらポイントバックされたか、
バックされるたびにメールが来ます。そこがいいんだと思う)

で、ふと思ったのが、
こういう企画は、広告会社にいたら、
出てこなかったんじゃないかってことです。

広告会社の人が、
「バナーを出すのは最小限にして、
ユーザーにポイントをあげましょう」って言うの、勇気いりますよね。
そんなことしたら、広告会社にお金入ってこないもん・・・。

でも、こういう方法こそ、サービスの繁栄のために
必要な手法だったりするわけで。

だから私は、広告会社の人は、
担当商品の現場を経験したらいいんじゃないかと思います。
もはや交換留学するとか。

現場で、広告の効かない時の歯がゆさとか、
ユーザーの生の声を一緒に感じてくれたらなあと。
そしてその中でたとえ広告会社が一時損をしたとしても
長い目で見て、サービスが育つ提案をしてくれたら
嬉しいなあと思います。

でもそれを実現するためには
広告会社とクライアントの蜜月関係が必要ですよね。

いちいち、競合プレとかさせられていたら、
そんな関係出来っこない(´;ω;`)

理想はクライアントが広告会社を1つに決めて、
マージンではなく、コンサルフィーを払ってくれて、
ゆっくりじっくり、一緒に育つこと。

でもそんなのただの理想であって、
クライアントの身になると、
広告費は一円でも安くしたくて、
となると競合プレさせなくっちゃ、
最安値は出てこない気がする
・・・ってことで、いろいろ難しそう~(´・ω・`)

そんなことを思ったり。

▼最近一番面白かったのは、
リスティング王子と呼ばれる方に弊社に来て頂いた時のお話。

予想される検索ワードを元に、とあるお店の名前をつけて、
そのおかげで、今、業界ではトップの売り上げを誇っているという成功事例を聞いて、
コピーライター的発想からは、生まれない名前だなあと思いました。

その時、「コピーライターがデジタルを勉強しなきゃいけない」って
散々言われてたのはこういうことだったんだな、と身をもって実感。

「広告界に今後求められる人材とは」というテーマで、
これも、話せるような内容だったかもしれない。

▼今月末に、某媒体に転職に関するインタビューが出るのですが、
(また、出たら告知します)そこの原稿チェックをしていたら、
「コピーライターがたくさんいる中で、一番になれる気がしなかったから
転職した」みたいなセリフを言っていました。

そういえば、電通を辞めるとき、
200人以上いる同期の中で、
特に強みがあるわけでもない自分だけれど、

いったん辞めたら、最悪トレンダーズが潰れても、
「ベンチャー企業の上場前後を経験した」っていう
他の同期は誰も持っていない強みが出来るって考えました。

それがあったら、どこかまた別の会社に再就職くらい
できるだろうって思ってました。

トレンダーズは、今のところ、潰れる気配ゼロですが、(←社長、変なこと書いてすみません)
仮に、今どこかの広告会社に転職することになったとしたら、
この経験を生かして、あのままコピーライターをしている自分よりも
良い提案をクライアントに出来る気がします。

▼・・・そんな感じで、いろいろ思っていることを
あの時間、話したかったのだけど
話しきれなかったのでブログに書いてみました。

でもいまいち、まとまった感じがしない。

またまた小娘が偉そうにすみませんと思いつつ、
自分の中に、消化不良感が残っているので
いったん、まとまらないなりに、出してみようと思いました。

広告業界を離れて、視野がぐっと広がって、
逆に喋れることがあったはずなのに、
あの時うまく喋れなくって悔しい。

リベンジしたいので、
機会があったら是非またああいった場に、呼んでください。>どなたか。